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もう一つの年金問題〜在日コリアン高齢者無年金訴訟

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弁護士 近藤 恭典

もうひとつの年金問題

在日コリアン高齢者無年金訴訟

2007年9月18日、9名の在日コリアン高齢者が、在日コリアンに対して国籍により差別し国民年金制度から排除し続けてきたことが基本的人権の侵害であるとして、国家賠償訴訟を福岡地方裁判所に提訴しました。

1910年の日韓併合以来、大日本帝国による朝鮮半島の植民地政策により農地を奪われた朝鮮人農民らが、日本本土に多数渡航し定住しました。また、1939年からはいわゆる強制連行により、やはり多数の朝鮮人が日本本土へ連行されてきました。この朝鮮人及びその子孫で現在日本に定住している方達が、いわゆる在日コリアンと呼ばれる人々です。

1959年に施行された国民年金法には国籍要件が定められ、これに先立つ1952年の民事局長通達により日本国籍を一方的に剥奪されていた在日コリアンの人々は、国民年金制度から排除されることとなりました。1981年の難民条約批准を受けて、国民年金法の国籍要件が撤廃されることとなりましたが、それでも1982年時点で60歳を超えていた在日コリアンの高齢者達には加入資格が認められず、1985年の法改正においても実質的救済措置は採られませんでした。国は、在日コリアンが日本に定住せざるを得なくなった歴史的経緯を無視して、形式的に国籍の有無を盾に在日コリアン高齢者の国民年金加入を妨げてきたのです。

在日コリアンの高齢者達は、国の政策によりことさら無年金状態に置かれたため、困窮した生活を余儀なくされています(原告9名中8名が所得0です)。このような生活により原告らが蒙った多大な精神的苦痛に対する慰謝を求めて本訴訟は起こされました。

人間らしく生きるために

オモニ、ハルモニに残された人生を人間らしく生きてもらうため、また、過去の政策の誤りを清算するため、そしていまなお根深く残る在日外国人差別問題の解消のため、頑張って取り組んでいきたいと思います。

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