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じん肺・アスベスト:建設アスベスト

2019年10月9日(水)

九州建設アスベスト訴訟について

九州建設アスベスト訴訟弁護団 弁護士:山本 一行

1 11月11日福岡高裁判決

九州建設アスベスト訴訟の控訴審は、11月11日に福岡高裁で判決を迎えます。
建設アスベストは、全国各地で闘われていますが、これまで平成24年5月の横浜地裁判決で完全敗訴の憂き目にあった後、一歩ずつ前進してきました。平成24年12月の東京地裁で国に勝訴、続いて私たちの福岡地裁でも平成26年11月に国に勝訴しました。これで流れが決まり、その後は国に10連勝しています。
さらに、平成28年1月の京都地裁で建材メーカーに勝訴、平成30年3月の東京高裁で一人親方についても国の責任を認めさせるに至りました。現在まで、高等裁判所レベルで一人親方勝訴が3件、建材メーカーに勝訴が3件勝ち取られています。
これまでの道のりは、決して簡単なものではありませんでした。それでも一歩一歩の前進が積み重ねられてきました。最初の完全敗訴の判決を書いた同じ裁判官が、別な高裁では一人親方や、建材メーカーの責任を認める判決を出したということもありました。被害者が、運動を続け、被害を訴えてきた努力が報われつつあります。

2 被害と加害の特質

建設作業従事者のアスベスト被害は、現在の労災、アスベスト救済法の認定患者の約半分を占めます。認定患者全体は毎年ほぼ1000名のペースで生み出されています。建設材料には90年代までアスベストが使われていました。潜伏期が長いことを考えれば、残念ながら今後も被害者は増えていくと言われています。
責任追及には、原告らはどの現場で、どの建材を使ったかなどいちいち覚えていないことで苦労しています。多い者は千以上の現場を経験しているのです。使用建材の特定ができない中での加害責任の主張は容易ではありませんでした。
企業責任を認めた判決は、原告らの就労や建材使用の実情を正確に認め、シェアの大きい建材の製造販売企業に責任を認めたのです。勝訴判決では、裁判所に、実質的に妥当な判断が必要な場合は、形式論理を超えてそこに踏み込むという姿勢をとらせることができたのです。
また、建設業界では常雇いではなく、作業者を独立させて一人親方として請け負いで作業させるというやり方が広まっています。小さな建物の建設を断続的に受けることなどから来る特質です。現在は、ますますこの傾向が広がっています。
しかし、国の責任の根拠となっている労働法は、一人親方を保護するものではありません。いかに一人親方に国賠法上の保護を広げるかも、苦労の連続でした。勝訴判決は、労働法制の歴史、個々の労働者でなく就労している場所全体の保護を図る規定があること、労災保険が一人親方にも特別加入として開かれていることなどを根拠に、これも認めています。

3 解決のためにがん張ります

以上の勝訴判決の積み重ねは、大きな力になっています。しかし、これら事件も、いまだ上告審での訴訟継続途中です。ここで私たちが、後退するような判決をとろうものなら、大きく足を引っ張ってしまうことになります。わたしたち弁護団は大きなプレッシャーを受けています。
これに打ち勝ち、福岡高裁で勝訴し、被害救済の流れを固める意義は大きなものがあります。最高裁へ多大な影響を及ぼすことができます。
私たちの目標は、裁判によらない被害救済のための基金による救済です。広汎な被害であること、個々の加害者が必ずしも明確でないことから、基金が必要なのです。また、建物解体現場で、今も続いているアスベスト暴露を止めるための制度改正も必要です。
国会議員の賛同署名、自治体決議、署名の取り組みなど、世論の形成に務めるとともに、福岡高裁で勝訴し、国と企業による完全な被害救済を実現するために、最後までがん張ります。

4 10月11日高裁判決1か月前集会

10月11日には、「高裁判決1か月前集会」を行います。18時から、天神警固公園横のレソラホールです(ルイ・ヴィトンが入っているビルの5階)。判決に向けての集会というだけでなく、身近なアスベストの危険と、建物解体などで心配されている今後の被害(作業者だけでなく、住民も被害者になりかねません)を根絶するための取り組みなどを、構成劇などの形でわかりやすく説明します。参加は無料です。興味を持たれた方は、ぜひご参加下さい。

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