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お知らせ

2019年5月15日(水)

原発「安全神話」は本当に消えたのか?

 福島第一原発事故を防ぐことはできたのか? 
 福島第一原発事故の被害者が、東京電力や国を相手取った訴訟を全国20以上の裁判所に提訴しています。そのなかで、国や東電が事故を防ぐ対策をとることができたのか、とるべきなのにとらなかったのではないかが争われています。
 訴訟の中で明らかとなったのは、福島第一原発事故の何年も前から、巨大津波が起こり得ることや巨大津波が襲来した場合に福島第一原発が大事故を引き起こしかねないことが分かっていたのに、津波対策工事の費用をかけたくなかった東京電力と、その意を受けた国が、巨大津波が起きるという知見を無視して対策を怠ってきたという事実でした。
いくつかの地裁ではすでに判決が出ていおり、多くが、対策をとることができたのにそれを怠ってきた国と東電の責任を認めています。
 原発という、多くの人の命や健康、財産を奪いかねない危険な施設を運転しようというのですから、必要な対策であれば、それがいくら高くつくものであろうととるのが当然です(とれないのであれば運転すること自体が許されません)。しかし、現実には、経済的にみてとることのできる対策だけがとられてきたのです。そのような原発の対策の不備を「安全神話」で覆い隠してきた結果が、あの福島第一原発事故でした。

 安全神話は消えたのか? 
 福島第一原発事故から8年が経ちました。あれだけの被害を出しながら、現在、日本では9基の原発が再稼働しています。「福島第一原発事故の教訓を踏まえた世界最高水準の安全性を確保した」との触れ込みで策定された新規制基準に適合したことを理由に、世論の大反対を押し切っての再稼働です。   
 しかし、本当に福島第一原発事故の教訓を生かしたといえるのでしょうか。安全対策を、それが必要であるか否かではなく、経済的にとり得るかどうかというそろばん勘定で決定していたという福島第一原発事故以前の電力業界や国の体質は、本当に改まったといえるでしょうか。
 残念ながら、まったく改まっているといわざるを得ません。 
 一つの例として、原発の水蒸気爆発対策の不備が指摘できます。
 原発の過酷事故時に、格納容器を破壊して放射能の大量放出を引き起こしかねない事象として、水素爆発(福島第一原発事故で実際に起こりました)と、水蒸気爆発があります。
高温の溶融燃料と水とが接触するときに起こる大爆発が水蒸気爆発です。この水蒸気爆発については世界的に研究が進んでおり、そこでは、、水蒸気爆発の発生メカニズムを明らかにすることは難しく、過酷事故時には起こり得るものと想定せざるを得ないとの報告がなされています。そのため、ヨーロッパなどでは、新しい原発の導入には、溶融燃料と水とが接触すること自体を防止する「コアキャッチャー」という設備を導入することが必須とされています。
 ところが、日本の原発には、このコアキャッチャーの導入は求められていません。電力会社は、日本の原発では「水蒸気爆発は起こらない」とうそぶいて、水蒸気爆発対策の必要性そのものを否定しています。一方で、日本の原発プラントメーカーは、海外輸出向けの原発には、コアキャッチャーを導入しています。
日本の原発にコアキャッチャーを導入することには、技術的に困難を伴うだけでなく、おそらく多額の費用がかかります。海外で当然とされている水蒸気爆発対策を、「世界最高水準の安全性」を謳う日本の原発が導入しない理由は、やはり安全をそろばんで考えているからにほかなりません。津波対策をとりたくないために巨大津波が来るリスク自体を否定したのと同じやり口が、水蒸気爆発対策においても繰り返されているのです。 

 原発「安全神話」は、まだまだ消えていません。

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