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2022年8月16日(火)

家事調停手続のリモート化に思う裁判のIT化の光と影

弁護士:河西龍介

~IT化の光の部分~
長引く新型コロナ禍の影響もあって、現在、在宅ワークやリモート会議が頻繁に行われているのは皆さんもご承知のとおりです。
リモート化は裁判や調停等の法的手続きでも例外ではなく、これを家事事件について見ると、私が日頃利用している福岡家庭裁判所でも一部の調停手続はリモートで行うことが可能となっており、私は、これについては当事者にとって一定のメリットや利便性があるものとしてIT化の積極面だと感じています。
それというのも、離婚調停や遺産分割調停といった家事事件では、当事者間の感情的な対立が激しいことも多く、当事者同士が直接顔を合わせるのが望ましくない場面も多々あるため、当事者が裁判所に出席する場合には待合室を別々にして、交互に調停委員と面談する等の運営がなされています。ところが調停をリモートで行うことができれば、当事者が同じ裁判所に来る必要がなくなるので、偶々顔を合わせてしまう等の事態も避けられるし、また遠方から出向く労も軽減されます。
このように家事調停について見れば、リモート化による当事者の負担軽減もなされてきていますので、手続きが煩わしいのではないか等の理由で調停申立を躊躇されている方がおられましたら、是非一度私たちの法律事務所にご相談にいらしてください。

~IT化には影の部分もあるので要注意です~
このように裁判手続において利便性の高いIT化が実現し、利用者(国民)の使いやすい裁判が実現することは望ましいことです。ただ、裁判事件の中には、多くの傍聴人も参加することのできる公開の法廷において、裁判官に対して、直接、訴訟の意義や主張の要点等について弁論を行い、あるいは被害者本人が受けた被害の実態等、書面やリモートによる映像では伝えることのできない生の声を語り、その中で裁判官もいい意味での緊張感をもって訴訟を進行するという、リアルな形で行われることが不可欠な事件も多く存在しています。訴訟の基本原則が直接主義、口頭主義とされているのもそのためです。この点、今年5月に民事訴訟手続のIT化を内容とする民訴法の改正が国会で成立し、2025年までに段階的にIT化がすすめられることになりましたが、改正法の中身には裁判の直接主義、口頭主義を形骸化する恐れのある制度も含まれているため、私たちの法律事務所としては、今後も本当に国民の裁判を受ける権利の充実化のためのIT化がなされる方向で日々の実務を行っていかなければならないと考えています。

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