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弁護士記事河西 龍介:その他

2026年2月15日(木)

離婚の基本―離婚の方法とその注意点

河西 龍介

1.はじめに

 離婚するにはどのような方法があるかご存じでしょうか。また、その方法を取る際にはどのようなことに注意したらいいのでしょうか。今回は、離婚の方法と、その方法をとる際に注意すべき点についてお話したいと思います。

2.離婚の方法と注意点

 ⑴ 離婚の方法は4つあります

 離婚の方法には、①協議離婚、②調停離婚、③審判離婚、④裁判離婚があります。離婚全体におけるそれぞれの割合は、協議離婚88.3%、調停離婚8.3%、審判離婚1.2%、裁判離婚(和解・判決離婚)2.2%となっています(令和4年度「離婚に関する統計」の概況・厚生労働省)。

 ⑵ 協議離婚

 協議離婚とは、夫婦の協議により離婚する方法です。離婚の多く(88.3%)がこの方法で行われています。協議離婚は、離婚の合意があり、その離婚の合意に基づいて離婚届を提出すれば、離婚の効力が生じます。時間的にも経済的にも負担が少なく簡易な方法だといえます。

 一方で、簡易な方法であるため、離婚の条件であった事項について離婚後にトラブルが生じることがあります。注意点としては、このようなトラブルを回避するために、離婚の合意をする際には、財産分与、慰謝料、子供がいる場合は養育費などの離婚の条件について協議し、これらついての合意内容を書面にしておくことが大切です。また、財産分与や慰謝料で金銭を請求する場合には、原則として一括払いとし、分割払いにせざるを得ない場合には、公正証書を作成し、支払いがない場合は強制執行の手続きを直ちにとれるようにすることも検討してください。また、養育費についても、同様の理由から、公正証書にすることを検討すべきだと思います。

 ⑶ 調停離婚

 調停離婚とは、家庭裁判所での調停手続によって離婚をする方法です。調停は裁判所において調停委員を介した話し合いによって紛争の解決を目指す手続きですので、離婚調停では家庭裁判所で離婚について話し合うことになります。協議離婚ができない場合は、直ちに裁判(離婚訴訟)を起こすことはできず、まずは離婚調停を申し立てなければならないとされています。調停で離婚の合意に至ったときは、調停調書が作成されて離婚が成立します。調停調書に財産分与、慰謝料、子供がいる場合は養育費などの離婚の条件が記載されれば、支払いがない場合には強制執行の手続きを直ちにとれるようになります。

 離婚調停では、各当事者は調停委員から個別に主張の聞き取りをされます。注意点としては、自分の主張をあらかじめ書面にして提出し、自分の主張を裏付ける証拠資料などを提出するなどの工夫をした方が良いと思います。また、離婚調停と同時に、婚姻費用分担調停を申し立てることも検討すべきです。

 ⑷ 審判離婚

 調停での離婚の合意成立の見込みがなければ離婚調停は終了するのですが、わずかな意見の相違によって合意に至らないなどの事情がある場合には、家庭裁判所は調停に代わる審判をすることができ、この審判により成立する離婚を審判離婚といいます。もっとも、審判がなされても、当事者が2週間以内に異議申し立てをすれば審判は効力を失います。

 ⑸ 裁判離婚

 裁判離婚とは、裁判(離婚訴訟)によって離婚することをいいます。裁判離婚には、訴訟上の和解によって合意する和解離婚と、裁判官が夫婦間の証拠や主張に基づいて離婚の可否や条件を判断し、判決によって強制的に離婚を成立させる判決離婚があります。裁判離婚は離婚全体の2.2%ですが、そのうち和解離婚は1.3%、判決離婚は0.9%です。

 裁判離婚は、民法で定められた離婚事由(法定離婚事由)が認められなければ、判決で離婚が言い渡されることはないことに注意が必要です。法定離婚事由は、①不貞行為②悪意の遺棄、③3年以上の生死不明、④回復の見込みがない強度の精神病、⑤その他、婚姻を継続し難い重大な事由とされています。これらの法定離婚事由については、次回の弁護士記事でお話したいと思います。なお、④回復の見込みがない強度の精神病という法定離婚事由は、2026年4月1日施行の民法改正により削除されます。

3.最後に

 これまでお話したように、離婚には様々な方法がありますが、それぞれ注意すべき点があります。離婚をご検討されるようなことがありましたら、弁護士に一度ご相談されることをお勧めします。