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2021年2月10日(水)

東京五輪・パラリンピック組織委員会森喜朗会長の女性蔑視発言

弁護士:深堀寿美

報道によると、この2月3日、東京オリンピック・パラリンピック組織委員会の森喜朗会長は、日本オリンピック委員会(JOC)の評議員会で、「女性理事4割は、これは文科省がうるさく言うんでね」「女性がたくさん入っている理事会は時間がかかります。(日本)ラグビー協会は(会議が)今までの倍、時間がかかる。」「女性は優れており、競争意識が強い。誰か一人が手を挙げて言われると、自分も言わないといけないと思うんでしょうね。それでみんな発言される。」「私どもの組織委員会にも女性は7人くらいおられる。みんなわきまえておられて、みんな競技団体のご出身で国際的に大きな場所を踏んでおられる方々ばかりですから、お話も的を射たご発信をされて非常にわれわれも役立っている。」などと発言したと言われていて、これらが女性蔑視発言であると様々な団体から批判の声が上がっています。

翌日の記者会見で、森会長による釈明の機会もあったようですが、ここでも厳しい質問には「承っておきます」と不機嫌な表情で応じたとも報道されています。この森会長に見えるのは、女性差別的な自らの考えに無自覚でそれを改めるつもりもないという態度です。女性差別的な発言・態度に対しては、あまりにも社会に浸透して「それの何が問題ですか?」と疑問を持つ人も多い、無意識の差別意識(アンコンシャスバイアス)の場合もあるのですが、今回の発言は、超剛速球ストレートの女性蔑視発言です。正面切ってこれが何ら問題のない発言だと言える人は最早おられないのではないでしょうか。

日本はジェンダーギャップ指数でも毎年低迷し(2019年12月発表で121位/153か国、政治の分野では141位)、国際的にも女性差別を解消しようとする点で問題があるという指摘を受けてきています(女性差別撤廃条約の締約国審査)。

私は、各国の目が集まる「オリンピック・パラリンピック」というイベントを切っ掛けに「これでは恥ずかしい」と女性の地位改善が少しは加速するのでは?と希望的観測を持っていましたが、さらに報道によると、こんなに批判されているのに、政権与党・自民党の二階俊博幹事長はこの発言の問題性を指摘するどころか、この発言を切っ掛けに起きているボランティア辞退問題に「辞めたらいいじゃないか」的態度を取られ、問題性を全く理解していないことを露呈して「火に油を注ぐ」と評価されたりしています。日本社会の女性差別意識は根深いと言わざるを得ません。

何かあったら何でも「辞任」すればいいわけではありませんが、国際的なイベントを日本でやるからには、前世紀の女性差別意識を払拭できない人よりも21世紀の国際標準(オリンピック憲章にも明示されています)を装備した人に取り仕切って貰いたいものです。

#dontbesilent

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