中山篤志 弁護士記事

2025年5月18日(日)

ひまわり一座の2025年公演が無事に終わりました。

4月26日(土)、福岡市立中央市民センター3階大ホールで憲法劇団ひまわり一座による公演が無事に行われました。200名も来場して頂き、ありがとうございました。
今回は「たべほうだいのしあわせの国」という作品。
とある時代のとある国。国王のもとに生まれた娘は、王子として育てられ、街の人々に慕われていた。ある日、「強い国」を作るため、大臣たちが新開発の完全栄養食「ハイキューZ」のたべほうだいキャンペーンを提案。変わっていく街の空気。そんな中、国王が王子に隣国の姫との婚約を告げる。・・という筋書きです。
以下は、当日パンフに掲載した私の挨拶文です。
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トランプ大統領による「性別は男女2つしかない」発言、オリンピック選手の性別問題等に端を発する性別多様性を否定する動きなど、性的少数者が生きづらい潮流が起きています。
日本では「結婚の自由をすべての人に」訴訟(いわゆる同性婚訴訟)の高裁勝訴判決が揃い踏みとなっていますが、判決の確定や立法化はこれからです。
日本国憲法は個人の尊厳を最大の価値としていることから、性的少数者も個人として尊重され生きづらさを感じないですむ社会でなければいけません。
今回の憲法劇は初めてLGBTQなどの問題を取り上げています。
このお話しから、作者の意図を離れた個人的な感想ですが手塚治虫の「リボンの騎士」に想像が膨らみました。
「リボンの騎士」では主人公のサファイアが王家の女の子として生まれるはずが、天使の悪戯によって女の子の心の他に男の子の心も与えられてしまいました。
トランスジェンダーが天使の悪戯によるという点や男の心と女の心に2元化しているという点は、現代の理解から違和感を感じます。とはいえ「リボンの騎士」は肉体の性と心の性が一致しないトランスジェンダーの生きづらさや心情に肉迫している作品だと思います。こうした作品から、知見の進歩を考えることも面白いと思います。
本日のお芝居が日本国憲法の理念を考える一助になればと願ってやみません。
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関連して・・2023年2月に弁護士会の研修でトランスジェンダーの荒牧明楽(あきら)さんの講演を拝聴しました。肉体は女性で性自認は男性という方で、現在は手術を受けられて男性の肉体になっています。
著書の「トランスジェンダーの私が悟るまで」(NR出版)には、自分の肉体が女性であることを自覚させられて苦しんだこと(特に初潮以来、生理の度に苦しめられたそうです)、自分の存在が他人に理解されないことで自殺を試みたこと、愛する女性との結婚を望んでも世間の偏見や子どもを産めないハンディ等に阻まれること等々壮絶な思いを抱えて生きてきたこと、その後、苦悩を克服していったことが綴られています。当事者の体験と心情を知ることで性別多様性についての理解が深まるものと思います。
以上

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