10月に第37回の「なくせじん肺全国キャラバン」が始まります。近年はアスベスト被害の根絶を求めて、自治体や国の出先機関、東京では省庁に要請を行うことが中心になっています。アスベスト建材の使用は禁止されていますが、かつて建設された建造物には多くアスベストが残っていて、解体などの際に飛散して、解体労働者や付近住民に被害を及ぼす心配があるのです。アスベストを使用した建物の解体のピークは2028年ころでだろうと言われていますが、これも解体によるばく露が続けば患者発生は長引きます。アスベスト被害のピークは2030年台と言われています。福岡でも同じです。特に「天神ビッグバン」などで建物の解体はたいへん多くなるでしょう。
また、熊本で地震の災害、各地で大雨による災害が起きています。がれきの処理などの必要があり、自治体職員やボランティアの方々が頑張っておられます。がれき片づけの際にアスベストにばく露する危険も生じており、きとんとした防じんマスクの支給なども重要になっています。
さて、建物解体などの際に被害を出さないようにする制度として、事前にアスベストが使われているかどうか調査して届け出るということがあります。しかし、この調査の届出の数は、環境省がかつて予想した件数と比べて2分の1から3分の1に留まっています。アスベストがあるかもしれないのに、それを無視して解体が行われることが頻発しているのです。届出に基づいて行われることが予定されている自治体の指導、監督も行き届かないことになります。
私たちは、アスベストがあることによる解体費用の高額化のため、建物所有者も、所有者から仕事を請け負いたい解体業者も、アスベストを無視したいと考えてしまい、それがこの事態をもたらしていると考えています。自治体に調査や解体の補助の充実を求めているのです。
また、そんな風潮はたいへんまずいので、アスベストの危険性を広く世間に知らしめて、きちんと調査をして、対策をとって解体をするという社会的合意を広げようと活動しています。関係機関に広報などの充実を求めています。まじめにアスベストの対策をとろうとしている正直者が、馬鹿を見る(仕事を請負えない、無視して安くあげることができる)など許されてはなりません。
さらには調査者の制度も改善する必要があります。現在は一定の講習を受けて調査者になることができます。これをもっと厳格にしてライセンス化して、アスベスト無視などの事案があれば調査者資格を取り消すなどの措置が必要です。また、解体業者内の調査者ではなく、第三者性を求める制度にするであるとか、第三者の点検を行うことにするという必要もあります。
建物解体については、やはりまだ危険な状況にあると言えると思います。ふだんの生活を送っている街中で、アスベストにばく露する危険があるのです。
アスベストの危険性を訴える声を大きく上げていきましょう。解体現場で心配を感じれば、県や市に指導監督するよう通報する活動も重要だと思います。