河西龍介 弁護士記事

2024年7月8日(月)

旧優生保護法違憲訴訟―最高裁大法廷判決でも勝訴!

1 はじめに

 前回、旧優生保護法違憲訴訟の福岡第1次訴訟で、原告らの請求を認容する判決が言い渡されたことをご報告し、令和6年7月3日には先行する5つの訴訟の最高裁大法廷判決が言い渡されることをご案内していました。
 そして、7月3日の最高裁大法廷判決でも、原告らの請求を認容する判決が言い渡されましたので、最高裁判決についてご報告いたします。
 なお、旧優生保護法件訴訟とはなにか、全国の訴訟の状況、令和6年5月30日に福岡地裁で言い渡された判決の概要については、こちらの前回の記事をご覧ください。

2 最高裁大法廷令和6年7月3日判決

 最高裁判所大法廷は、旧優生保護法違憲訴訟の5件の上告審において、旧優生保護法による被害について、除斥期間の適用を制限するとの統一的判断を示し、国に対して被害者への損害賠償の支払いを命じています。

⑴ 旧優生保護法は憲法違反であると判断

 判決は、特定の疾病や障害を有する者等を対象とする旧優生保護法の不妊手術に関する規定は、「個人の尊厳と人格の尊重の精神に著しく反する」上、差別的なものであり、憲法第13条及び第14条第1項に違反するものであったことを認め、同規定の立法行為は違法であったと判断しています。

⑵ 除斥期間の適用は容認できないと判断

 判決は、除斥期間の適用について、以下の理由(①~④)から、旧優生保護法による被害に除斥期間を適用することは、著しく正義・公平の理念に反し、到底容認することができないと判断しています。

①立法という国権行為が憲法上保障された権利を違法に侵害することが明白である場合は、法律関係の安定という除斥期間の趣旨が妥当しない面があること

②長期間にわたり国家の政策として多数の障害のある者等を差別して不妊手術という重大な人権侵害を行った国の責任は、極めて重大であること

③被害者らが損害賠償請求権を行使するのは、極めて困難であったこと

④国会は、1996年に旧優生保護法を母体保護法へと改正した後、適切に立法裁量権を行使して速やかに補償の措置を講じることが強く期待されていたにもかかわらず、長期間にわたり補償の措置をとらなかった上、2019年4月に成立した「旧優生保護法に基づく優生手術等を受けた者に対する一時金の支給等に関する法律」(いわゆる「一時金支給法」)は国の損害賠償責任を前提とするものではなかったこと等

3 最後に

 最高裁判所でも、原告らの請求を認容する判決が出たことで、今後、旧優生保護法訴訟は、政治的解決に向けた大きな動きが生まれてくることになります。そして、早期に政治的解決にたどり着くためには、皆様の声を行政に届けることも非常に重要になります。
 皆様におかれましては、今後もご支援くださいますようお願いいたします。

以上

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弁護士紹介河西 龍介

河西龍介 弁護士

弁護士登録:2019年

大型書店や不動産鑑定評価・補償コンサルタント会社での勤務を経て、弁護士になりました。自分の経験も活かしながら、皆様の日々の生活が少しでも楽しく豊かなものになるような活動を心がけています。