深堀寿美 弁護士記事

2024年11月25日(月)

衆議院議員の女性割合も増え、司法試験の女性合格者率も増えましたが...

去る10月27日の衆議院議員選挙結果の報道によると、女性当選者は73名と過去最高で、当選者に占める割合も15.7%と過去最高でした。11月6日、2024年度の司法試験の合格発表があり、法務省大臣官房人事課の発表によると、合格者数は男性1111人に対して女性481人で、女性割合が初の30%台となりました。
ただし、衆議院議員選挙では、全国の小選挙区で女性当選者がいない都道府県が27もあり、福岡も、その一人もいない県の一つです。候補者の段階で女性比率は過去最高の23.4%と過去最高でしたが、政府が目標とした(2020年第5次男女共同参画基本計画)「35%」には遠く及ばない状況です。司法試験は、率は増えても、絶対数は減っていますし、受験予備校の統計によると、男女別受験者数中の男女別合格率はいまだに男性の方が上です。
様々な分野で女性比率を上げるには、端的に女性への割当数を増やす、という方法(クオータ制をとる)もありますが、選挙や司法試験においても優位な差が付いている原因を分析し、その原因を平等になるようにする、という方法もあります。例えば、求人において、「性別不問」と言いながら、「身長176cm以上」などという求人条件にすれば、そりゃあ、男性応募者・条件該当者が増えるから、これは平等な条件とはいえない、などということです。司法試験で何故合格率に差がついているのかは、難しい問題ではありますが。
さて、衆議院議員選挙が終わり、女性議員の絶対数は増えても、女性大臣は変わらず2名に留まりました。政務官や副大臣には6名の女性が起用されたと言うことですし、衆議院法務委員長には女性が就任するなどしてもいます。法曹界では、この10月、福岡高等裁判所長官に初の女性裁判官が就任しましたし、着実に女性進出は進んでいるところです。
しかし、税制改革では「103万円の壁問題」が取り上げられていますが、「壁」の存続で生じている、多数の母子世帯の社会保障における逆転現象の是正まで考えて、抜本的に制度の是非を考える議論がなされることはないようです。日本の社会は、どこまでも男性片働き、女性は家計補助的労働が当然、と思い込んで、女性の賃金が低レベルに留まっていたり、管理職への登用が進まない、などの問題を十分に解決することができていないのではないでしょうか。
改革は、道半ば、でも、着実に進んでいますので、もう少し良い社会にして後進に引き継げるよう、もうひと頑張りですよね。

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深堀寿美 弁護士

弁護士登録:1993年

相談者・依頼者が困っておられる内容の原因究明に務め、解決に必要な法的手続その他行政手続のご提案等ができるよう務めます。何でもご相談下さい。